世界初の火星衛星
サンプルリターンミッションです。
MMXの実現によって
太陽系の惑星形成の謎を解く鍵が
得られるでしょう。
2026年度打上げを目指して
開発を進めています。

What’s MMX
MMXとは?

MMX(Martian Moons eXploration)は、世界初の火星衛星サンプルリターンミッションです。
2026年度の打上げを目指して開発を進めています。
原始太陽系における有機物・水の移動、天体への供給過程の解明に貢献するため、火星衛星に含まれる含水鉱物・水・有機物などを解析することにより、水や有機物の存在を明らかにするとともに、2つの火星衛星の起源や火星圏(火星、フォボス、ダイモス)の進化の過程を明らかにすることで、太陽系の惑星形成の謎を解く鍵を得ることに貢献します。 また、火星圏への往還技術や天体表面上での高度なサンプリング技術、さらには深宇宙探査用地上局を使った最適な通信技術と、これからの惑星や衛星探査に必要とされる技術の向上も行います。
探査機は、地球から打上げ後、約1年をかけて火星圏に到着し、火星周回軌道へ投入されます。その後、火星衛星の擬周回軌道(QSO: Quasi Satellite Orbit)に入り、火星衛星観測・サンプル採取を行います。観測と採取を終えた探査機は、サンプルを携えて地球に帰還します。現状は2026年度打上げ、2027年度火星周回軌道投入、2031年度地球帰還を計画しています。

Objective
火星衛星探査の意義

はやぶさ2からの発展 ― 生命の起源に迫るMMX

火星衛星探査計画MMXは、はやぶさ、はやぶさ2に続く、JAXAの小天体探査戦略の中核を担うミッションです。火星の衛星フォボスのサンプルを採取し、太陽系の中で水・有機物が、どのようにして惑星 に供給され、生命が誕生・居住可能な環境ができたのかを明らかにします。

NASAパーサヴィアランスより早く ― 火星サンプルを持ち帰るMMX

フォボス表面には、隕石衝突により火星表面から吹き飛ばされたサンプルが、かなりの量、降り積もっていると考えられています。MMXはフォボス自身のサンプルに加えて、火星表層からのサンプルを、NASAの計画よりも早く、2029年度に地球に持ち帰ります。

フォボスは火星への橋頭保 ― 有人火星探査の先陣を切るMMX

MMXは、有人火星探査では必須となる火星圏への往復を果たします。また、有人火星探査の重要拠点と目されるフォボスの表面地形、地盤情報、表面・周辺環境を世界で初めて詳細に観測して、天然の宇宙ステーションとしての利用可能性を探ります。

Probe
探査機システム

MMXの目的を達成するためには、様々な要求を満たす探査機が必要です。
地球を出発した探査機は、

  • エネルギーや熱、地球との通信といった探査機の命に関わる重要な要求
  • 各観測機器からの観測高度や観測のタイミングなどの要求

を満たすため、多角的な検討がされています。

Science
サイエンス

火星やその2つの衛星、フォボスとダイモスの謎を解き明かすためには、どうしたら良いか、どんな観測機器で何を観測し、どんなサンプルを取ってくるべきか、MMXはサンプルを採取するだけでなく、様々な観測機器によって火星や火星衛星のリモートセンシングも行います。
また、火星衛星には表と裏の面があり、それぞれで成分が異なると考えられています。どの場所からサンプルを取るべきなのか、国内外の科学者によって議論が進められています。

WorkingTeam
ワーキングチーム

MMXでは、探査機システム、サイエンスチームが協力して取り組むべき課題についてそれぞれワーキングチームを結成し、様々な難しい課題に挑んでいます。

Mission Operation Preparation Working Team

運用準備に関わる検討を進めるため、システム、サイエンスのメンバーからなるチームです。

Landing Operation Working Team

着陸運用に関わる検討を進めるため、システム、サイエンスのメンバーからなるチームです。

Rover Operation Working Team

搭載ローバの運用に関わる検討を行うチームです。

Landing Site Selection Working Team

着陸地点選定に関わる検討を進めるため、システム、サイエンスのメンバーからなるチームです。

Data Processing Working Team

探査機から送られてくるミッションデータの処理に関わる検討を行うチームです。

Sample Analysis Working Team

回収したサンプル解析に関わる検討を行うチームです。